青春一滴/A Dash of spring


A Dash of spring


換骨奪胎

アイディア出汁


ゲーセンダンジョンの世界観でやってみる。

ゲームの中で物語を同じく経験する二人。こんな出会いがあったらいいなーと思っている。ドキドキ文学部的な?出会いのあるTRPGをやって、美男美女に扮装してキャラとして行動する。現実世界にもこんなことができたらいいなーと思ってる。だけど実際に行動を起こす勇気がない。相手の方から絡んでくる妄想をお互いにする。ヤンキーがやけに内気な自分にからんでくるのが大変みたいな。自分のキャラジャないけど自分から絡んでみたらどうかと妄想する。通報されるんじゃないかと怖くなる。男はゲームであったような、自分に自信たっぷりな行動はできないけど、落とした端末を拾ってくれたお礼に女に声を掛けるくらいやってみようと頑張る。案の定フラれる。女は警戒心もあったし、落とし物を拾ったくらいで声をかけてくるようなのは信用できないと思ってる。でもぱっとしてない男だけど、そんなに悪くもないのかなと後で思いなおす。今度もう一度声をかけられたら誘いにのってもいいかもと思う。数週間後に二人はまた出会う。女は期待してるけど男はびびって行動できない。恐怖で体がこおばる。すれ違って別れるだけになったところで男はゲームの主人公の行動を思い出す。一度振られてもしつこく誘って成就する執念とカッコ悪さあるけどそれになりふり構わないゲームキャラを思い出す。男は頑張ってもう一度女に声をかけて食事に誘うのに成功する。最後にナレーションで、こんなのは物語でしかありえないだろうと読者諸氏はおもうかもしれないが、周りを見渡してみえるカップルの一つ一つにこの物語なんか大したことないと感じるストーリーがあった結果なのだ!で終わる


.マッチングアプリ的なゲームもあるだろうけど現実でこういう行動を起こさせる心の下地が必要。女はマッチングアプリで絡んでくる男はどうしようもないと思い込んでるし、男はアプリではまったく相手にされないので何とかしたいと思ってる。


構造の整理

物語への憧れ、二人が心境を吐露しているので神視点で、”こうなってほしい”が読んでる人に生まれる。そのためには二人にある程度共感する要素がほしいので、最初の書き出しで二人は一般人で大したことない人物だと念をおしてる。ストーリーへの憧れを登場人物がもっていて、この話の読者にも同じ憧れをもたせようとするメタ視点の二重の入れ子構造

登場人物


あらすじ

平凡な二人の男女が同じ小説を読んでいる。みんな読んでいる雑誌の綺麗な男女のラブストーリーな小説。二人ともそれにあこがれるが、現実にその小説のようにはならないと嘆いてる。「此畜生。もし俺がこんなことをしたらこの女は丸二日ぶっ続けで俺をブロウトーチで溶かそうとするだろうよ。」小説の男はこういう「ねえきみ、晩飯に付き合ってくれなきゃ、防衛上うんと言わなきゃなくなるまでうるさく付きまといますよ。だからさっさと決めてください。」

小説の一篇がつづられて、同時進行で物語が進み主人公たちのボヤキやツッコミが入る。

その中で、主人公の男が小説の主人公のように女に話しかけようとする。小説の中では小説の中の女がクロスワードをやっているときにそのワードを言って、それが気の利いたワードなのでそれをきっかけに仲良くなる。小説ではダーリンという言葉。それを主人公男は間違った言葉を言ってしまう。ハイブ「英語ではハチノスという意味と、蕁麻疹という意味」。女は侮辱されたとおもってひと悶着。二人は不穏なまま別れたが、女は男が例の小説のようにふるまおうとしたことを気づく。そして何週間かして二人ともお互いのことをわすれていなかった。でまた再開したときに前に間違えたやりとりをやり直す。そして仲良くなる。エピローグで、クロスワードのこたえはハイブではなくハニーだというネタ晴らし(Hからはじまるハチに関する五文字のワードHivesとHoney)。成功の秘訣は現実の人生をこうした素晴らしい小説の中の人生にまでもっていくことだったのだ。これが世界平和をもたらす鍵なのかもしれない。



面白いところ

文章好き。

「現実の人生がブをわきまえているなら、小説の中に書かれる素晴らしい人たちの人生をひくつにまねるにちがいない」

「二人とも賛成することは一つある。われわれが、現実の人生を、こうあってほしいという人生、すなわち小説に書かれたような人生に変えてしまうときがきたということだ」

”ご都合主義だって?偶然の一致がなかなか起こらないのは小説の中でだけ。現実ではいくらでも毎時間起こっているけどそれを認識してないだけ。ごくありふれたところなのだ。”

”この辺の事情は貴方にも察しがつこう。逃した魚はわすれがたいものだ。男は女を折に触れ思い出していたし、女も男を忘れかねていた。”こういう前置きいいなあ

感想