ChatGPTを使って漫画描く 

🦑チャットGPTでマンガ描けるの?

ChatGPT(以下GPT)等大規模言語モデル(LLM)をマンガの物語作成につかってみた。その感想。

Chatgptの基本的な使い方プロット作成のためのプロンプトとそのフロー、役に立ちそうなサイトのリンクなどは別ページにまとめた (23/08/18~)

やったこと

一か月の間漫画作成のためにChatGPT4をメインに、Bard(現Gemini), Bing AI(現Copilot)の三種類のLLMを利用した。

🐳結論

漫画を作るのにGPTはかなり使える。


出来ないこと

現状の機能ではGPTが漫画のシナリオを描くのは無理。つまんないありきたりな物語は作れても面白い漫画の脚本は作れない。


🦌なぜChatGPTは漫画のストーリーを書けないか

要因は3つ


1.現在のGPT学習方法の関係で展開が平凡

機械学習の方法が、大量の文章をAiに読ませて、頻出パターンを吐き出させること。だから、AIは、よくある質問に対してはよくあるこたええしかしない。どこかで見たことある物語になる。

2.GPT提供側の”政治的正しさ”フィルタで展開もキャラも尖らない

AIのこたえで炎上しないように、極端なこたえを出さないように設定がはいってる。差別やエロも厳しい。それじゃあウシジマくん出てこない。HENTAI漫画も無理。炎上コンテンツは、倫理的に攻めてる問題だから興味が湧くってもんで。

3.自分が語るべきストーリーじゃない

漫画描くの大変なので、人生の時間を使ってまで漫画にしたいと思う動機が必要。自分のフィルタを通して他人に見せたいと思う理由。他人に伝えたい信念があるとか大層な話じゃなくて、”自分だけが知ってる面白い”、”自分の口から是非言いたい”、ネタだから漫画描ける。その個人的理由を提出してくれない。



🐙GPTに物語を書かせる方法

でも物語を書かせる方法がある。詳細なプロットを決めて、キャラクターの詳細を決めて、配分を決めて、世界設定を詳細に決めて、物語に関係する社会情勢と時間軸を決めて、読者とキャラクターの感情を想定する。それらが独創的で個人的な限りChatGPTも独創的なストーリーをくれる。結局、物語を書かせることと、自分で物語を書くことが一緒になる。


🐻GPTがストーリー作成になぜ使えるか

漫画作成につかった実体験から感じたことを書く。


1.自分が想定してない・考えこぼしていたアイディアをくれる

GPTはアイディア出しをいくらでもしてくれる。求めるアイディアやシチュエーションが具体的なほど良いアイディアをくれる。

最近作っていた漫画で、”駄菓子でできた迷宮に閉じ込められた主人公、最後に迷宮の番人ひもQメデューサが、主人公達に課す試練”で詰まった。肉体的に戦わせて主人公たちが勝つことしか思いつかなかった。でもそれじゃつまんないと思ってたけどなんにも出てこない。そこでGPTに


「魔女が最後に主人公と戦うことになるがどんな種目がいいか。勝負でもいいし、審査でもいい。魔女が二人を解放する理由が欲しい。」と 尋ねたところ「魔女が最後に主人公と対決する種目は”料理対決”です。ダンジョン内で集めた駄菓子を使って、最も美味しい料理を作ることが目的です。魔女自身も参加し、三者三様の料理が審査されます」。


言われてみればそれしかないのに自分の頭の中に料理対決が全くなかった。アイディア出ししてればいつか出たかもしれない、一生出なかったかも。

良いアイディアなんだけど一味足りないってときにGPTに聞くと、おぼろげなイメージを具体的にしてくれたり問題点が見える。


2.物語やキャラクタを書き出すヒントや、下敷き、それらの展開をくれる。

さっきの作ってた駄菓子迷宮漫画の展開は決まったけど、ディティールを考えるのが面倒だった。ので全部GPTに丸投げ。

俺【「魔女はどんな姿をしてるんでしょうか。駄菓子の迷宮の主らしい特徴が欲しいのでアイディアください。メデューサをモチーフにしています。髪の毛がひもQでできたグミの蛇です。口調も考えてください。子供に対して荒々しくもかわいらしい呼び方をします」】

GPT【「魔女はメデューサをモチーフにしており、髪の毛は色とりどりの「ひもQ」でできたグミの蛇です。これらの蛇は動き、時には口を開けて人々を驚かせます。彼女の瞳はキャンディのようにきらきらと輝き、そのローブはラムネの瓶を模したデザインになっています。

魔女の特徴的なセリフ「ふふふ、よく来たな、おやつちゃんたち。」「この駄菓子の迷宮で、お前たちの創造性を試してやろう。」「うまくいけば、特別なご褒美があるわよ。失敗すれば…ひもQで縛り上げてやる!」】

具体的なイメージの下敷き作ってくれるので、そのまま使ったり、イメージと違うものを変えてみたり掘り下げたりが簡単だった。


3.必要な情報に辿りつくためのヒントや周辺知識をくれる。

千代田区にホームレスが押しかけて選挙を乗っ取る漫画の展開を考えた。その実現性と問題点について尋ねた。そしたら法的な問題点や、実現のための具体的道筋、獲得するべき票数を知るきっかけになった。少なくとも読者にハッタリを利かすだけの説得力ある情報を得られた。ググってもこんなピンポイントな情報くれない。


🐟まとめ

GPTは自分が漫画を描くときに足りないところを補うサポート役として使う。何が面白いかの判断、面白いネタは自分で探すしかない。

GPTに問題を解かせるだけじゃなく、GPTに問題を提出してもらう。俺がGPTの答えを評価するだけじゃなく、俺の解答をGPTに評価してもらう。反対意見や別の仮説、改善点を聞ける。また情報を俺にくれる存在としてだけじゃなく、GPTが俺から情報を求める存在として扱ってみたら俺自身が面白くなれるんじゃない?

でもGPTを使ってると自分で考える力が薄まるって思う。アイディア力弱まるんじゃない?しょーがないよ。計算面倒だからパソコンつかうし。足痛いから靴履くし、歩くの面倒で自転車のる体力落ちるけど遠くまで行ける。やり方とか辿りつき方知ってればよくて。あるものは利用して、楽しいところだけ味わう。いっぱい漫画描きたいけど漫画描くの面倒なこと多い。楽しい事だけやるためにAI使う。


追補‐GPT4に月20$払う必要あるか(GPT3.5は無料)

漫画の脚本を書くだけならいらない。Windows持ってればGPT4相当のCopirotが使える。Geminiも良い。ジャンプ提供のGPT4のAPI使ったAI「Comic-copilot」も使える。同じ質問を別のLLMで試すと反応が違って面白い。得意分野が分かる。でも、一か月GPT4使ってみた感じ、アドオンや、マルチモーダル、データアップロード等々使いごたえがあって月20$の価値あった。GPTでしか使えないプロンプトテクニックもある。

量子コンピュータが個人で使えるようになったら、個人がLLMを作成できるようになって偏った計算するAIが出てきて面白い物語が作成できるようになるんでしょう。


追補2 Chatgpt 4oとClaude  240628 

現状フリーで使いやすくて頭がいいのが https://claude.ai/ 画像やPDFなどのデータ入力もできるのがいい。結局のところ無料で最高の結果を求めるなら、複数LLMで結果を比べるのが一番いい。モデルと質問の相性もあるし、プロンプトとの相性もある。

英語勉強でChatgpt 4oをつかってるけど丁寧さと精度が有料版はよくなってる。3DソフトウェアのBlenderは機能がありすぎて使い方も機能の存在もたどりつけないことが多い。そこでBlenderのUIアイコンをキャプチャして機能おしえてもらったり、やりたいことに辿りつくために何を検索すればいいかのヒントをくれる。ピンポイントで教えてくれることは少ないし、用語が間違ってることが多い。なんでもとりあえずは応えてくれる先生を雇うって意味で月20$は悪くない

画像生成AIのDiffusionモデルを背景作成に使用したマンガです。着色もAIを併用しています。是非読んでください🐰